当院では不育症認定医が保険診療を中心に不育症診療を行っています。また、流産手術は吸引法で実施し、流産胎児(絨毛)染色体検査も実施可能です。
不育症とは
不育症とは、妊娠はするものの流産や死産を繰り返し、出産まで至らないことをいいます。2回以上の臨床的流産もしくは死産の既往がある場合を不育症と呼んでいます。
流産は妊娠の最大の合併症であり、約15%に起こります。また、そのほとんどが妊娠10週未満の初期に起こります。
日本人においては、不育症は5%、3回以上の連続する流産(習慣流産)は1.1%の頻度でみられます。不育症の方は約3.1万人存在し、うち6,600人が3回以上の流産歴を持つ不育症と推定されています。決して珍しい病気ではありませんが、原因がわからないこともすくなくありません。
なお、ここでいう流産とは超音波検査などで子宮内に胎嚢が確認された後に起こった流産のことです。妊娠反応が陽性となった後、胎嚢が確認される前に出血が起きて妊娠反応が消失するものを生化学妊娠と呼び、流産とは区別します。
不育症の治療法
不育症の治療はその原因に応じて選択します。原因不明の方は基本的には薬剤投与は不要であり、無治療で一定の確率で出産できます。
また、流産を繰り返すことで、自分を責めたり、抑うつ的になったり、自尊心が低下する傾向があると言われています。しかし、多くの場合、流産は胎児の異常であり、女性の過失で起こるわけではありません。
流産して精神的に落ち込むのは当然の反応です。もし、なかなか気持ちの切り替えができない、次の妊娠がためらわれるなどありましたら、看護相談でお話を伺うことも可能ですのでご相談ください。