ごあいさつ
大学病院での勤務や大学院での研究を通して、根拠に基づいた診療の大切さ、その根拠となる研究の重要さを常に感じながら患者様の診療と研究に携わってまいりました。なぜその検査をするのか、なぜこの治療が必要なのか。そういったことを患者様が理解し、納得していただいた上で診療を行うことが、医療者と患者様の間の情報格差を減らし、透明性の高い診療を行うことにつながると思っています。
また、「治療をしても妊娠できないかもしれない」「また流産するのではと思うと妊娠しても喜べない」「生まれてくる赤ちゃんに何か病気があったらと心配」と、妊娠・出産・子育ては常に不安や心配がつきまとい、何をしてもその不安を完全に払しょくすることは、自分たちだけではとても難しいことです。治療を進めていく上で、パートナーの間で治療への気持ちの熱量に差がでてきたり、思ったように治療が進められず心が折れそうになったりすることもあると思います。そんな時、私たちクリニックのスタッフ皆で患者様を支え、患者様ご自身が納得して診療を続け、そして終えられるようお手伝いします。
私は、文学部で心理学を学び、精神医学を学びたくて医学部に入学しましたが、医学部の産婦人科実習でお産や手術をみて、産婦人科診療の魅力にとりつかれて産婦人科医になりました。心理学で学んだカウンセリングや様々な知識は患者様とのかかわりに今も大変役に立っています。
「できればお世話になりたくなかった産婦人科通院のストレスが、先生のおかげでどれほど小さくなったことでしょう」
これは、大学を退職する際にある患者様から頂いたカードの言葉です。これからも多くの患者様のよりどころとなれるような診療を続けていきたいと思います。
主な論文
Yuko Hayashi, Hidefumi Sasaki, Sadao Suzuki, Takashi Nishiyama, Tamao Kitaori, Eita Mizutani, Nobuhiro Suzumori, Mayumi Sugiura-Ogasawara, Genotyping analyses for polymorphisms of ANXA5 gene in patients with recurrent pregnancy loss. Fertil Steril. 100(4):1018-1024, 2013
Yuko Hayashi, Mayumi Sugiura-Ogasawara. Reply of the authors. Fertil Steril. 101(1):e2, 2014
Yuko Hayashi, Hidefumi Sasaki, Sho Takeshita, Ryutaro Nishikawa, Hiroshi Nishikawa, Atsushi Arakawa, Yoriko Yamashita, Satoru Takahashi, Mayumi Sugiura-Ogasawara. Usefulness of immunohistochemistry for the detection of the BRAF V600E mutation in ovarian serous borderline tumors. Oncol Rep. 32(5):1815-9. 2014
Yuko Hayashi, Nobuhiro Suzumori, Tokio Sugiura, Mayumi Sugiura-Ogasawara. Prenatal findings of holoprosencephaly. Congenit Anom. 55(3):161-3. 2015
Yuko Hayashi, Takeshi Nishiyama, Masahiro Nakatochi, Shugo Suzuki,
Satoru Takahashi, Mayumi Sugiura-Ogasawara.
Association of genetic variants of PD1 with recurrent pregnancy loss. Reprod Med Biol. 23;17(2):195-202. 2018
林裕子, 片桐由起子, 福田雄介, 臼井健人, 森田峰人. がん生殖医療における卵巣刺激方法の変遷. 日本がん・生殖医療学会誌 Vol.2,No.1, 31-35,2019