当院は東京都の卵子凍結助成の
登録医療機関です。
卵子凍結を実施した年度 上限20万円
次年度以降、保管について
一年ごと一律2万円
が助成されます。
卵子凍結とは
卵子凍結とは、受精前の卵子を凍結することです。加齢により卵子の数は減少し質も低下するため、妊娠しにくくなります。加齢により卵子の質が低下する原因は不明ですが、卵子の染色体異常の割合が増えることが不妊や流産の原因です。
将来の妊娠に備えて、卵子を卵巣から採取し、凍結保存することを「社会的適応の卵子凍結」とよび、悪性腫瘍の治療などによって妊孕能が低下する前に卵子を凍結する「医学的適応の卵子凍結」とは区別されます。
社会的適応の卵子凍結とは
卵子凍結は通常の体外受精などと同様に卵巣刺激を行い、排卵惹起の後、採卵術を行って卵子を回収します(卵巣刺激、採卵については生殖補助医療のページをご確認ください)。
回収した卵子を受精させることなくそのまま凍結することが体外受精との違いです。
凍結された卵子はその時の年齢の質のものですので、20代で凍結した卵子を用いて得られた受精卵を40代で移植しても、染色体異常の割合は凍結した20代のリスクのままです。
一方で、卵子は受精卵と比べて水分量が多いため、凍結時の水分の膨張により細胞破壊が起こり、融解時に変性や質の低下が起こりやすくなります。いくつの卵子があれば確実に妊娠出産できる、という保証がないため、多くの卵子を凍結することが必要になります。
受精卵と比較して未受精卵子は、融解後に受精し発育する過程があるため、移植可能胚は得られた卵子数と比較して大きく減少します。また、受精には顕微授精が必要です。
排卵誘発剤を使用して卵巣刺激を行い採卵するため、卵巣過剰刺激症候群といって卵巣が膨れてお腹や胸に水がたまる症状を引き起こす恐れがあります。卵巣過剰刺激症候群は、重症になると腎不全や血栓症などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。
卵子凍結を行うにはそのメリットとデメリットを十分理解した上で、実施するかどうか、その治療法を相談することが重要です。また、卵子凍結は現在の技術では将来の妊娠を確約するものではなく、高年妊娠になった場合は母児に影響するような周産期合併症も新たな問題としてあらわれます。凍結した卵子を用いて、いつ妊娠するのかも考えなければなりません。
卵子凍結をしなくても、女性がお子さんを望んだ時に妊娠・出産し、育てながら、ご自身の人生を納得して生きていける社会を整えることが、本来の目指すべき姿だと思います。
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